米継ぐ未来

米継ぐ未来

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疋田佳佑

米ノリの歴史

米は昔大工を中心にノリとして使われていた。米をおかゆのようにずっと火にかけながらひたすらかき混ぜるだけで作ることができ、それを建築材料として使っていた。米ノリの強度はとても強く、一般の家庭では主に障子などに使われていた。そこで米ノリを見えないものではなく見えるものを作りたと思い研究した。

米ノリを成形する

まずはじめに米ノリを作ることを実行した。お米から作る米ノリは強度は十分だったがダマになりやすい印象だ。米ノリはそのまま保存すると発酵するので冷凍しなければならない。次は米粉を使って米ノリを作った。米粉の方はサラサラしていて使いやすいと考えたからである。米ノリを放置して様子を観察、1日経つとかなり固ったが、ヒビが入っていた。米だけで作ろうとすると、しっかり圧縮して空気を抜かないとヒビが入ってしまう。米ノリを綺麗に硬く作る方法は米でまず型を作って圧縮し、熱湯にかけ、乾燥機にしばらくかけて置くと硬くなる。それをつるつるとしたアクリルの上で乾かすと米の表面がつるつるになり、割ると光が反射して光る様子が見てとれた。

左上:米ノリ(米粉)/中上:米ノリ乾燥時/右上:米ノリ砕き時
左下:荒い木屑混入時/中下:細かい木屑混入時/右下:米ノリ木屑混ぜ合わせ時

米と木の相性

実験①コメボード1
木と米は化学式が一緒なので相性がよく、木と米を混ぜてみようと考えた。
木屑と米の分量は混ぜる時に7:3くらいで混ぜるとよいようだ。まず米ノリに少し粗めの木屑を混ぜてみた。ある程度乾かし割ってみたところ中の方が乾いていなかった。割れた片方をレンジで加熱してみるとかなり硬くなった。
実験②コメボード2
次は細かい木屑で薄く作った。乾燥機にしばらくかけ、薄く作ることで中まで乾いた。乾ききればより固くなることが実証された。木屑は細かければ細かいほど使いやすく、混ぜた時に粘土状になる。細かい木屑の方が全体的に固まりい。見た目はコルクボードに似ているが、コルクボードより固く、しなりはない。

米ノリの性質

実験から考察すると、米のりは固まる前は粘土の様に柔らかく、固まるとかなり硬く固まる特性がみられた。そして米ノリを固めたものは長時間水につけているとだんだんと溶け始めていく。水に濡れてもすぐに拭けば溶けることはあまりないようだ。

欠けた木片

米ノリ埋め

米ノリでの修復

今後米ノリは?

結果から考察し、修復材として木の破損部分を使えると考えた。米のりと木で混ぜた修復材としてパテと同様に使えるのではないかと考えました。木でできた粘土として扱えそうだ。
米だけを使っての修復材を作りたいが、お湯のかけ具合と全体に水分を含ませる具合が細かい時間で変わってるくるため、そこを突き詰めて作っていけばよりいいものが作れると感じた。木屑と、米農家でいらなくなった米を使って粉末にしていけば材料費が浮くエコな素材になると考えられる。このように環境に優しい素材を作り今後に生かして行きたい。